上高地のガイドを開けば、必ずと言っていいほど河童橋から眺める穂高の写真で始まる。西穂独標(にしほどっぴょう)は、まさに上高地の顔とも言える穂高連峰、奥穂高岳から西穂高岳へと続く同じ稜線上にあるピークのひとつである。周囲を3,000m級の山々に囲まれており、ロケーションはもう言うことなし。さらにロープウェイを使うことにより、3,000m級の雪山登山を日帰りで楽しめる。
新穂高ロープウェイ
奥飛騨温泉郷のひとつ、新穂高温泉の最深部に、新穂高ロープウェイ乗り場はある。標高1,117mの新穂高温泉駅から、2,156mの西穂高口駅まで、30分ほどで運んでくれる。
わずか30分で標高1,000mも稼げるというスグレモノ。
往復3000円。
車は、日帰りであれば、乗り場すぐ接の駐車場に置いておいて問題ない。もし泊まりになる場合には、除雪作業の関係で、乗り場から少し離れたところに車を停めねばならないらしい。
新穂高ロープウェイ ~ 西穂山荘
西穂高口駅から一歩外へと足を踏み出せば、そこはもう今までとは別世界、完全に雪山の真っただ中。
周りは観光客用にきれいに道が付いていて、その道を奥へ進むと西穂山荘に続く登山道がある。ここから西穂山荘までは、静かな樹林が続く。
ルート上には、オレンジ色の目立つ標識をところどころに置いてルートを示してくれているので、迷うようなことはないだろう。
歩き始めてしばらくは、ほぼ平坦な道が続くが、西穂山荘が近付くにつれて、だんだんと登り坂の角度が増してくる。これが結構な角度で、足元の状況によってはかなり滑る。中には、アイゼンを履いて登る人もいるくらい。
歩いて行くうちに、木々の密度が少しずつ薄れてきて空の面積が増えてくる。そして、木々が完全に途切れて視界が開けたら、そこが西穂山荘。
ロープウェイより、約1時間30分。
西穂山荘 ~ 独標
西穂山荘はちょうど森林限界に建っていて、ここから先あるのはハイマツぐらい。視界を遮るものはほとんどない。
また登り始めてすぐに、風をまともに受けるようになる。それと同時に雪質も変わってくるので、ここから先はアイゼン・ピッケルが必須アイテム。
20分ほど登ると、丸山と呼ばれる見晴らしのいい場所に出る。正面には、独標を含む西穂高のピーク群。後ろを振り返れば、今でも噴煙をあげている焼岳、そして乗鞍岳のどっしりとした姿。進行方向左には笠ヶ岳のきれいな容姿、右には上高地が見える。まさに絶好のロケーション。
そんな360度の気持ちいい景色を見ながら歩いていけば、独標はすぐだ。ただし、最後の独標の登りは結構な岩場なので、死にたくなければルートを見極めながら慎重に。
西穂山荘からここまで、約1時間30分。
独標
それまで見えていた景色同様、360度の展望がすばらしい。
独標から先を見てみると、壁の様な岩稜が続いていて、一目で険しいことが分る。ここから先へと進むことのできる人は、自然と絞り込まれる。
充分に景色を堪能したら、あとは来た道を帰るだけなのだが、下山時は来たとき以上に慎重に。特に独標を降りるときは、登るときよりも難しい。
ここからロープウェイまでは、約2時間。
周辺の宿泊施設
★ 高山市奥飛騨温泉郷
★ 新穂高温泉
★ 新穂高ロープウェイ乗り場まで約4Km。車で約6分。
※HP等で情報を確認してください
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※HP等で情報を確認してください
【西穂独標周辺の山】



